育成経過
長野県下で長きにわたり栽培されてきた「NN-12」の後継品種として育成されました。
平成30年より特性試験を開始、これまでの品種に無い優れた特性を持つことから令和3年11月に品種登録出願、令和5年3月に品種登録されました。
登録番号:第29598号
品種の特徴
従来品種にあった僅かな苦み・エグミ等が無いため、味に敏感な小さなお子さまでも食べやすく、旨みの感じられる食味です。オルニチン含有量も高く、しじみの約10倍(100~150mg/100g 農工研分析値)も含まれています。
従来品種より大幅に培養期間の短縮が可能で、生育も速く、収量性も高い品種です。これまで4ケ月前後かかっていた栽培期間を最大3割短縮することが可能となりました。また、生育期間が21日と短くなった事で、主な管理作業を7日周期(週間)で行う事が可能となり、土日休みなどが取得しやすく生産者の負担軽減が期待できます。
ぶなしめじ栽培用の培地には杉などのオガ粉を主体として、コメヌカ、フスマ等の栄養材を混合します。これまでと同等の培地で収量増が可能となり、一方で収量目標を従来と同等として生産コストを低減、効率的な栽培を行う事も可能となりました。
利用状況
令和4年夏より、長野県下の一部JAで生産が始まり、令和5年以降、県下全域で広く栽培されています。
100gパック(左)と200gパック(右)
栽培きのこは、野菜等と同様に市況により価格が決まります。近年の原料・燃料・電気代等の高騰下でも生産コストの上昇分を販売価格に転嫁する事が出来ず、多くの生産者が事業の継続に不安を感じています。こうした状況の改善に役立ち、且つ消費者の皆様へ「おいしいぶなしめじ」をお届けできるように品種開発を進めています。