価格や品質が安定。備蓄にも最適な乾燥野菜
古くから乾燥野菜は保存食として親しまれてきましたが、近年では手軽さや時短などのメリットが注目され普段から頻繁に料理に利用される方が増えてきました。ここでは、とっても優秀な乾燥野菜についてご紹介します。
勘違いされやすい野菜の乾燥食品
脇役にされがちな乾燥野菜
古臭いイメージ
いろいろな意見はありますが、切干大根や干しシイタケなど古くから親しまれてきたこともあり、どうしても「古臭い」といったネガティブなイメージを持たれやすいのも事実です。そして「田舎のおばあちゃんが軒先で干している」という、誰もが容易にイメージできる情景が乾燥野菜にフィットしてしまい、古い感じがするという印象を持たれる方も多いようです。
買うくらいなら自分で作る、というひとも
最近、スーパー等で乾燥野菜を購入された方はどれくらいいらっしゃるでしょうか?
もちろん頻繁に購入されている方もいるでしょうが、野菜を作っている方なら「自分で乾燥させてるよ」という方も多いのではないでしょうか?
それぐらい手軽に楽しめるのが乾燥野菜の良さでもあるんです。あってもいいけどなくても困らない。そんな立ち位置ではないでしょうか?
食卓のメインになりづらい
切干大根を料理するときは、確かに切干大根が主役です。
しかし、切干大根という料理で見たときにそれが食卓のメインになるかと言われるとそうではありません。定食屋さんの小鉢や居酒屋の突き出しなど、どちらかと言えば名脇役といったところでしょうか。ちなみに私は切干大根愛が強く食卓のメインでも全く構わないですが…。
使い方が難しい乾燥野菜
切干大根は煮物にしか使えない?使い方の固定観念
誰もが一度は食べたことがあるであろう切干大根。切干大根と聞いて真っ先にイメージできるのは煮物ではないでしょうか?
スーパーのお総菜コーナー、コンビニのチルドパック、定食屋さんの小鉢。結構な頻度で目にしているがその多くが煮物になっていますよね。そのようなイメージが付きすぎており、「乾燥した切干大根を買う=煮物に調理」となってしまう方が多いと思います。その結果、「煮物は作る予定がない=切干大根は買わない」となってしまいます。
このように、「切干大根=煮物」といったイメージや、干しシイタケは煮物やだしを取ったり茶碗蒸しに、といった固定観念が、乾燥野菜の利用頻度を低下させている要因かもしれませんね。また、使ったことがないから使わないという方も多いのではないでしょうか?
調理がめんどくさそう
乾燥野菜と聞くと、何時間も水戻しをして、水切りをしてから炒めて、だし汁と調味料を入れて煮てと、「とにかくめんどくさそう」というイメージの方が多いかもしれません。
また、レシピにも「水で〇時間、その後、水を変えて〇時間戻す」や「急ぎたい場合はぬるま湯で〇〇分くらい戻す」などの文字が並んでいると「生の野菜使った方がラク」と感じる方も多いはずです。
乾燥野菜の価格のからくり
意外と高い価格の理由
そうなんです、乾燥野菜って意外と高いんです。ちょっとしか入っていないのに高い。「乾燥しただけなのにぼったくりじゃないの?」という方もいるくらいです。
実はこれには明確な理由があります。
乾燥とは水分を取り除くことです。元の重量と比べると果実では10分の1になり、野菜では20分の1程度の重量になってしまいます。工業的に乾燥品を作る場合、原料は仕入れます。例えば、シイタケの原料価格が1㎏あたり200円だったとして乾燥後に重量が20分の1となった場合、乾燥品は50gしかできません。
つまり、乾燥品が1㎏必要ということになれば原料はなんと20㎏も必要です。さらには、そこに様々な費用が加算されるため、製品原価が上昇してしまうのです。
原価を抑えれば確かに安くはできるかもしれません。
しかし、原料を生産している農家さんはどうなるでしょうか?農家さんが一生懸命生産した農産物に適切な価格をつけないと農家さんは生産はもちろんのこと生活ができなくなってしまいます。農産物の生育が良好で生産余剰となったものや販売が停滞して余剰となったものを使えば価格抑制は可能ですが、乾燥野菜自体の生産が安定しないため、その時々で価格が変動してしまいます。
手軽に料理に使える乾燥野菜
乾燥野菜を使う代表的な料理
切干大根
まずは馴染みもあって簡単に手に入る切干大根から。
水戻しして良く水を切った切干大根にツナや他の野菜等を加えるだけでサラダの出来上がり。「えっ?加熱しなくて食べられるの?」と思った方もいるでしょう。そもそも加熱しなくても大根は食べられますし保存方法などが適切にされている場合は、微生物に汚染されている心配もありません。作ってからは通常のサラダ同様に早めにお召し上がりください。しっかり水を切ると味も入りやすく離水も少なくなるため、お弁当などの付け合わせにも使えますよ。
干しシイタケ
ちょっとだけ煮物で使いたくて買ったけどどうしようという方もいらっしゃるのではないでしょうか?水戻しして半分に切ったものを酢豚などの炒め物に使ったり、スライスして炊き込みご飯にしたり、戻し汁と一緒にミキサーに入れて牛乳などを加えてポタージュにしてもとても美味しく召し上がって頂けます。
かんぴょう
かんぴょうは巻き寿司の具材やロールキャベツ縛る際に使うという方は多いのではないでしょうか?そして余ってそのままという方も…。簡単に佃煮のように炊いて食べるのも手ですが、かんぴょうはそれ以外にもパスタやスープの具にも適しています。どんな料理にも合わせることができる優秀な乾燥野菜です。
幅広い使い方ができる乾燥野菜
お味噌汁やスープにプラス
どんな乾燥野菜でもできてしまうのがお味噌汁などに加えてしまうこと。鍋で作る時もお椀でインスタントで作る時にもちょっとプラスするだけで野菜不足の解消になるかも!?
ちょっとだけ欲しいときにとっても便利です。カップラーメン等を作る時にちょい足しするのもいいかもしれませんね。
中華風味の料理にプラス
もともと中華料理では多くの乾燥食材が使われています。そのため、乾燥野菜を加えても何も違和感がないどころか、むしろ美味しくなります。乾燥野菜は味が濃縮されているとともに味が入りやすいという特徴も兼ね備えているので、味をしみこませる料理にはもってこいです。
パンやお菓子作りにプラス
使える野菜の種類は限られますが、ホウレンソウやニンジン、キャベツや玉ねぎなどを粉末や細かくし、練り込むことで風味と優しい甘さが特徴のパンや焼き菓子が作れます。野菜嫌いのお子さんにも試す価値アリです。もちろん、ご自宅でうどんなどの麺を作る場合にも使えます。添加量を調整しながら楽しんでみてください。
価格や品質が安定し、備蓄に適する乾燥野菜
価格の安定
青果流通している野菜はその時の気象条件や生産状況により価格が大きく変動します。しかし乾燥野菜は計画的に生産されており、販売価格が大きく変動することがありません。もちろん様々な条件で値上げになることはありますが、青果物に比べるとその変動幅は極めて小さいと言えます。
品質の安定
乾燥野菜は基本的に調味などをするわけではないため、原料品質に影響を受けやすい側面はあります。ただし、大量に生産するため、原料品質を見極めまとめて仕入れることで、通常ではわからないレベルで品質を安定させることができます。また、メーカー各社が乾燥ノウハウを持っているため仕上がり品質も安定します。購入後に家庭で適切に保管された場合、大きく変質することはありません。
常温・長期保管が可能
最近はなかなか家から出られない状況や急な事態など想定できないことが発生していますね。「大きな野菜を買っても使いきれないけど、やっぱり野菜は摂らないと」と思っている方も多いのではないでしょうか?そんな時も安定のお助けアイテムの登場です。乾燥しているので保管場所は取らないですし、常温での保管も可能です。汁物であればそのまま加えるだけですし、早く戻したいときはお湯を使えばOK!非常食としても期待できるので困った時のお助けアイテムとしてストックしておくといいかもしれませんよ。