機能性表示食品「ながまるアップル(シナノゴールド)」届出完了
りんごの機能性表示食品(生鮮食品)として【ながまるアップル(シナノゴールド)】が届出完了となりました。
生鮮による機能性表示食品の届出までの課題と経緯
これまでに支援したリンゴ機能性表示食品
機能性表示食品制度は平成27年4月からスタートしました。当初から農工研では農研機構を中心としたプロジェクトに参画しており、2019年には「毎日アップル(シナノゴールド)」(ドライフルーツ/森食品工業株式会社)と「毎日アップル りんごジュース(ストレート)」(ストレートジュース/長野興農株式会社)の開発を支援し、届出が完了しました。
山積する課題と生鮮品での機能性表示食品
同じプロジェクトに参画していた青森県では、生鮮による機能性表示食品の届出が完了し、大きな注目も浴びました。しかし、長野県では県内他産地との関係や届出にかかる費用や労力などの課題があり、取り組みには消極的でした。そんな中、農工研と農研機構食品研究部門が実施した共同研究の中で、生鮮リンゴでの届出の可能性が出てきました。
長野県産シナノゴールドで機能性表示食品を目指して
長野県育成品種を機能性表示食品に
共同研究の中で注目したのは長野県育成品種のシナノゴールドでした。黄色いリンゴで食味、貯蔵性に優れ、国内他産地はもちろんのこと、国外でも生産が増えつつある品種です。すでに青森県のふじや王林、海外からの輸入リンゴで届出がされていたこともあり、差別化や産地の優位性を示すためにこのシナノゴールドを機能性表示食品として届出することを目標としました。
100%表示が可能であることが判明
機能性表示食品は、生鮮食品と一部の農林水産加工品においては、一日の必要摂取量の50%でも表示することが可能です。しかし今回、JAながの管内で生産されたシナノゴールドを調査したところ、一日に1個(可食部300g)を食べることで、内臓脂肪を抑制する効果を表示できることがわかりました。つまり、対象となるシナノゴールド1個でリンゴ由来プロシアニジンの内臓脂肪を抑制する効果の一日あたりの必要摂取量である110mgを100%摂取できるのです。
念願の機能性表示食品届出完了
これらの結果を踏まえ、農研機構食品研究部門とJAながのと連携し令和5年8月9日に届出を行い、このたび無事に届出が完了しました。そして、令和5年11月7日にJAながの本所においてプレスリリースが開催されました。リンゴはからだに良いということが広く再認識され、リンゴの消費拡大につながることを願っています。